■ 抄録・要旨
| 懸濁物質を含む河川水を対象に、難分解や不溶性の有機物についても高い酸化能力を有する燃焼酸化分解方式のTOC計3機種を使用して分析結果の比較検討を行い、懸濁物質の計測方法として評価した。また、TOCと一般水質項目との関係について求めた。その結果、懸濁物質の計測には課題があり、特に流路径が細い機種では不可能であることがわかった。POCがSSに占める割合(foc)を求めると、流路径が一番大きい直接注入方式の機種でSSの増加に伴ってfocが漸減する既往関係式に近い結果となった。TOCはCODと非常に高い正の相関があり、酸素消費換算で推計すると、CODでは有機物の約60%が酸化分解していることに相当していた。TOC計による懸濁物質の分析では、試料の均一化と燃焼管への確実な導入が重要であり、他の分析方法との比較検討が必要と考えられた。
|